猛省

23日、いったんは見送られた(拒否された)ALS患者・岡部さんの国会出席が実現した。

 

拒否された経緯はちょっと複雑だ。

障害者総合支援法改正のために、岡部さんの招致を求めた民進党に対し、

与党は見返りに児童福祉法改正の審議入りを要求。

対し、民進党は保育士らの賃金引き上げをめぐる法案の審議入りを要求。

結果、協議は難航し、民進党は招致を断念。

 

「やりとりに時間がかかる」という理由で、

招致を拒否した与党の姿勢は言語道断として、

なぜ民進党は断念したのか。なぜ、もっと粘らない?

 

上の経緯を見ると、

民進党にも(「猛省」とまでは言わなくとも)「反省」を促したくなる。

 

岡部さんは

「私にできる方法で、このような生き方もあると発信することで、皆様に様々な障害に思いをはせて欲しい」

と訴えた。

 

岡部さんの言う「このような生き方」を、

私たちが「自分の生き方」と等価なものとして、

普通に、当たり前のように、感じることができる未来を切に願う。

 

もちろん、わたしにも「猛省」が必要だ。

 

 

閑話休題(小論文作成に関する覚書 No.6) 

承前

〈テーマをめぐる現状説明→問題点の指摘→解決策〉は、前に少しふれた「序論・本論・結論」の基本的な役割とそっくりそのまま重なるわけではない。受験用に基本スタイルを変える、と言えば大仰だが、「序論・本論・結論」という語の原義に引っ張られると、短い字数では要求されたことを言わずじまいになってしまう。現状の説明が手薄になったり、問題点の指摘に終始してしまい、要求されている解決策の提示ができなかったりする。ここでは「序論・結論・本論」を、単純に「解決策」←「解決策を論じるための問題点の指摘」←「問題点の指摘をする前提としての現状説明」という論理的な繋がりに変えて考え直してみる。すると、適性要件をほぼ満たすことになる。

それでは、この〈テーマをめぐる現状説明→問題点の指摘→解決策〉という展開に倣うかたちで、前に示した「いじめについて」というテーマの二つの例を再度確認しておこう。〈テーマをめぐる現状〉が最初の書くべき内容だとすれば、特別な条件がない限り、前者の例は現状説明から大きくズレた説明になっていることがわかる。初めに示すべきは、いじめの現状であり、論者の個人的な関心である〈スポーツとの関わり〉ではない。後者の例は、現在のいじめの傾向として「LINEいじめ」があることを、メディア情報に依っている。新聞やテレビ、Webは私たちが現状を知るための基本的な媒体であることは言うまでもない。

(つづく)